監修:日本歯科大学付属病院 口腔リハビリテーション科
教授 菊谷 武 先生
前回は「口の清掃方法」についてご紹介しました。きれいな口になった後は、おいしい食事が食べたくなりますね。でも、細菌少しずつお肉やお魚などの弾力ある食べ物が食べられなくなったという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、そんな噛む機能が弱くなった方のために、いろいろな物が食べられるようになるためのポイントをご紹介します。
硬い物や繊維の多い物が食べられなくなると、食べられる食品が制限されることから、摂れる栄養素が限定されてしまいます。例えば、お肉やお魚にはタンパク質が豊富に含まれており、運動をするために必要な筋肉、病気を防ぐために必要な免疫系の材料となっているため、不足すると病気やけがの治りが遅くなります。さらに、歯を使う(よく噛む)ことは、口周りの筋肉をほぐす役割もあり、表情を豊かにします。
私たちは、噛むことによって食べ物を飲み込みやすい形に調整していますが、何らかの原因で噛む機能が低下すると、食事に制限が出ることがあります。その主な原因として、下記の2つがあります。
①歯の数が減る
歯の数は加齢に伴い減少し、平成23年の歯科疾患実態調査では、80歳で20本以上の歯を有する人の割合が38.3%であったことが報告されています(図1)。また、自分の歯で噛み合せを維持している群(咬合維持群)に比べて、噛み合せがない群(咬合崩壊群)では3.2倍に低栄養になるリスクが高まることが報告されています。噛み合せを義歯などで回復するとそのリスクは1.7倍に減少しますが、リスクが高いことに変わりはありません。(図2)
自分の歯でしっかり噛めることが重要ですが、歯を失っても自分にあった入れ歯を使うことで噛む機能を補いましょう。
②口や舌が動かなくなる
加齢により舌や口周りの筋肉が衰えたり、脳血管障害の後遺症などの口の運動に障害をもつと、口の巧みな動きが低下し、うまく噛めなくなります。また、入れ歯をいれないことでもこれらの機能が低下することが知られています。
噛む機能は、一度衰えても適切な処置・リハビリで回復させることができます。しかし、処置・リハビリをしたからといって、急に何でも食べられるようになるわけではありません。そこで、噛む機能が回復するまでは、食べやすく調理した食品や「あいーと」のような市販の食品を取り入れて、楽しく食事ができるように工夫するとよいでしょう。
①自分に合った入れ歯を入れる
入れ歯の役割として、一番は噛む機能の回復にありますが、その他にも外観の改善、発音能力の回復においても、非常に重要です。
近年は、在宅で歯科診療を受ける機会も増えているので、市町村の医療相談窓口や地元の歯科医師会に問い合わせ、紹介してもらうとよいでしょう。
②口周りの筋肉を強化する
噛むためには口周りの筋肉をほぐし、強化する必要があります。そこで今回は、簡単にできる「口の健康体操」をご紹介します。この体操は、噛む力やのどへの送り込みのもととなる、口周りの筋肉強化だけでなく、表情を豊かにしたり、会話を楽しむための発音の向上にも有効です。
口の健康体操
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