高齢になると、ある時期から食が細くなったり、食べにくそうにしたり、好みが変わるなど、食に関する状態の変化が見られることがあります。高齢者の毎日の食事については、下記のようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ・栄養バランスが気になる ・何をどれくらい食べたらいいかわからない ・献立がワンパターンになってしまう こうしたお悩みを解消するために、今、配食を利用する人は増えています。 今回は、配食の取り入れ方や賢い活用方法、今どきの配食の魅力についてもご紹介します。
高齢者の食生活をサポートする配食サービス
調理はいくつかの作業を同時に行う、高度で複雑な脳と身体の活動です。 長年、家族みんなの食事を毎日料理してきたという方でも、高齢になると一人で安全に調理するのが難しくなることもあります。 また病気になり食事制限の必要があったり、食が進まなくなり栄養のあるものを食べる必要がでてきたりすると、家庭での調理はむずかしいかもしれません。 そんなときには、配食サービスが役に立ちます。 厚生労働省によると、「配食サービスは、一人ひとりに合った栄養バランスの良い食事をお届けするサービス」であり、日々の食事について、 ・食事内容が心配なとき ・食事の準備をするのが困難なとき ・買い物や片付けがたいへんなとき ・栄養バランスが気になるとき ・どのくらい食べたらいいのかわからないとき ・家族と同じものが食べられないとき などに、配食サービスを活用することをすすめています。
健康的な暮らしを長く続けるために
食事になんらかの問題を抱えていると、高齢者の場合、健康面でリスクが高くなります。 たとえば、硬いものがかみにくくなる場合や、飲み込みがうまくいかなくなった場合は、以前に好んで食べていた料理でも、食事が進まなくなることがあります。 また、運動量が減ると空腹を感じにくくなり、食欲がわかない、といったお悩みを抱える方もいらっしゃいます。 「ちっとも動かないからお腹が空かないのは当たり前」と諦めているうちに体重が減少し、要介護状態に移行しやすくなる場合もあります。介護予防の観点からも、その人の状態に合った食事を検討することが重要です。
理想的な食生活を送るためには、どんなことを心掛けたらいいのでしょうか。 農林水産省などは、国民一人ひとりの健康増進と生活の質の向上などを図ることを目的として、次のような「食生活指針」を掲げています。 ①食事を楽しみましょう ②1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを ③適度な運動とバランスのよい食事で、適正体重の維持を ④主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを ⑤ごはんなどの穀類をしっかりと ⑥野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて ⑦食塩は控えめに、脂肪は質と量を考えて ⑧日本の食文化や地域の産物を活かし、郷土の味の継承を ⑨食料資源を大切に、無駄や廃棄の少ない食生活を ⑩「食」に関する理解を深め、食生活を見直してみましょう 高齢者の場合は、低栄養の予防や改善に注力し、毎日バランスよく食べることが重要です。 とくに③〜⑦は、何をどれくらい食べたらよいかについて示されています。 主にこの5つの項目が考慮された食事を摂っているかどうかが、配食利用を検討する際のポイントになりますので、ご参考にしてみてはいかがでしょうか。
配食サービスを利用する前に
その人に合った食事を選ぶことで、健康状態の維持または改善をめざすのが、配食サービスです。 適切な配食を選ぶためには、利用する人の健康状態をよく把握しておくことが大切です。 配食サービス業者に依頼する前に、まずは医師や歯科医師などの専門家に相談し、食事に関するアドバイスを受けておくこともおすすめです。 高齢者の健やかな食生活を支える配食サービス事業者は、食の悩みに応えるプロです。 配食を注文するときには、ふだんの健康状態や食事の状況、医師のアドバイスなどを伝え、かむ力や飲み込む力が弱くなっている、食べる量が少ない、アレルギーや好ききらいがあるなどの問題があれば、遠慮なく相談しましょう。 その他、ひとり暮らしかどうか、最近の体重の変化、病気の有無、食事療法の指導があるかどうかなど、注文時に伝えたいことは準備しておくのがおすすめです。
自治体による配食サービスを利用できる場合も
栄養の問題を改善し、地域で自立した生活を送ることを支援する目的で、ひとり暮らしなど調理が困難になった高齢者に向けた配食サービスを提供する自治体もあります。 たとえば1日1食を500円程度で提供し、同時に安否確認も行ってくれるというものです。 利用条件は自治体によってさまざまですが、主に65歳以上のひとり暮らし、あるいは高齢者のみ、または高齢者と障害者のみで生活する世帯に向けて提供されています。 老老介護の場合は、サービスを受けられることが多いでしょう。 また家族が仕事で日中不在になるといった場合にも、相談することで利用できる自治体もあります。 配食は安否確認の目的も兼ねているため、基本的には個別に訪問し手渡しで届けられます。 毎日ひとこと言葉を交わすことで、その人の状態の変化にも気づいてもらえるなど、1日1食の利用でも利用者の安心にもつながります。 お住まいの地域の配食サービスについて知りたい方は、高齢者相談センターや、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどに相談してみましょう。
食べやすさに配慮した、バラエティ豊かな配食も
配食サービスの多くは、かむ力や飲み込む力が弱くなった人のためのやわらか食、きざみ食、ムース食、おかゆの対応をはじめ、カロリーや塩分、またはタンパク質の調整が必要な人のためのメニューなどを用意しています。 管理栄養士が監修し、多くの食材を使った栄養バランスのいいメニューを提供していて、おかずだけの注文が可能な業者もあります。 和洋中の日替わりメニュー、季節の食材を使った限定メニュー、カレーやラーメンなど食べたくなったらいつでも注文できる定番メニューを用意したりなど、最近では、さまざまな趣向を凝らし、味わいにもこだわった配食が選べるようになってきました。 食事の準備が困難な方には、お弁当の形で届く配食が便利です。温めたり、盛り付けたりといった簡単な食事の準備ができる人には、おかずのセットがチルドや冷凍で届く形を選ぶのもひとつの選択肢です。
高齢者の「美味しい」には、味や香り、見た目だけではなく、食べやすかった、飲み込みやすかった、ちょうど良い量であった、などの安心と喜びが含まれています。 もう高齢だからと諦めるのではなく、その人に合った配食サービスを選択し、ぜひ美味しい食生活を続けてください。
参考
農林水産省「食生活指針について」 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/shishinn.html(2022年1月現在) 厚生労働省「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理」 「配食利用者向けパンフレット」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158814.html(2022年1月現在)
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