高齢者の食事では、食べられる量が減ったり、食べるものに偏りが出たりして必要なカロリーや栄養素が十分に摂れていないことがあります。
高齢者の健康を保つためには、体を動かすことも大切ですが、体を動かすためにも食事でしっかり栄養を摂ることが大切です。
今回は、高齢者に多い体のトラブルとトラブルを防ぐための栄養の摂り方など、高齢者の体調に合わせた食事の工夫や食事の方法をご紹介します。
高齢者が健康に生活するために必要なエネルギー量
高齢者が摂取すべき1日のエネルギー量をご存じでしょうか。
日本人に必要なエネルギー量や栄養素の量の基準を示すものとして、厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準」があります。
5年に1度改定されており、2020年度から2024年度までは日本人の食事摂取基準2020年版が適用されます。
この食事摂取基準によると、高齢者が健康な生活を送るために食事から摂るべき必要なエネルギー量は以下のように示されています。
高齢者が健康に生活するために必要なエネルギー量(kcal/日)
身体活動レベルⅠ:座っての生活が多く、静的な活動が中心の場合。75歳以上は、自宅にいてほとんど外出しない場合に相当。
身体活動レベルⅡ:座っての生活が中心であるものの買い物や家事、軽いスポーツ等を行っている場合。75歳以上は、自立している場合に相当。
身体活動レベルⅢ:立っての活動が多い場合やスポーツなど活発な運動習慣がある場合。
高齢者が気をつけたい病気とは
高齢になると体のさまざまな部分にトラブルが生じやすくなります。
高齢者に多い病気や体調の変化には、主に以下のようなものがあります。
・高血圧
・糖尿病
・心臓疾患
・腎臓機能の低下
・肺炎
・喘息
・骨折
・筋力低下
・摂食、嚥下障害
高血圧、心臓疾患、腎臓機能の低下が気になる場合には
高齢者は味覚の変化によって、濃い味つけのものを好む傾向にあり、知らず知らずのうち塩分を多めに摂ってしまっていることがあります。
血圧が高い場合や心臓に持病を持っている場合、腎臓機能の低下が気になる場合には、出汁の風味を効かせるなどして美味しさを損なわずに、塩分のバランスを考えた食事作りをするとよいでしょう。
筋力の低下を防ぐためには
加齢に伴って筋力が低下すると身体機能が低下し、活動量が低下するという悪循環に陥ってしまいます。
筋力の低下を予防し健康を維持するためには、筋肉の材料となるたんぱく質を積極的に摂ることがすすめられています。
夜の食事だけでなく、朝食や昼食の際にも卵や肉、魚、大豆製品などのたんぱく質が豊富な食材を取り入れるように工夫するとよいでしょう。
骨折を防ぐためには
高齢者は筋力や運動能力の低下から転倒するリスクも高まり、転倒時に骨折してしまうことも少なくありません。
骨折は寝たきりのきっかけになりやすいため、筋力の低下を防ぐとともに骨折を防ぐための対策も大切です。
骨がもろくなり、骨折の原因となる骨粗しょう症を防ぐためには、骨を作るために必要なカルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどを食事で積極的に取り入れるようにします。
カルシウムは牛乳や小魚、ビタミンDは鮭や干しシイタケ、ビタミンKは納豆やホウレンソウなどに多く含まれています。
デザートやおやつで不足分を補う
高齢者は運動量の低下や噛む力・飲み込む力の低下から食事の量が減り、必要なエネルギー量や栄養素が不足している低栄養の状態になるケースが増えています。
体を動かす機会を増やすためにも、高齢者の体調管理には食事からしっかりとエネルギーや栄養素を補給する必要があります。
1回の食事であまり食べられない場合やおかずを食べるのが苦手な場合でも、デザートやおやつは食べられることもあります。
フルーツ入りのヨーグルトやプリン、バウムクーヘンなど牛乳や卵などを使ったデザートやおやつで、気軽にたんぱく質やカルシウムなどを補うことができます。
市販の介護食を利用する
市販の介護食は、カロリーや塩分、栄養素などが計算されています。
そのため、あと1品だけ追加したいときなどは必要に応じて栄養バランスを考えた副菜として利用することができます。
また、1食分がセットされている介護食や複数の介護食を組み合わせて、1食分の食事に利用することもできます。
高齢者の体調管理のためには食事からの栄養摂取が大切ですが、毎日の食事の準備も簡単なことではありません。
高齢者の体調だけでなく、介護をする人の体調にも合わせて時には市販の介護食を利用して、高齢者と一緒に食事を楽しむ気持ちと時間の余裕を持つのもよいかもしれません。
高齢者の健康維持には、体調に合わせた毎日の食事が大切です。
栄養のバランスを考えた食事も重要ですが、何より食事を楽しみ、必要なエネルギー量を摂取することがもっとも大切なことだといえます。
食欲が低下している場合にはおやつやデザートを工夫してみたり、時には市販の介護食を利用しておしゃべりをしながら一緒に食事を摂る時間を作ったり、食事を楽しめるような機会を持つことも高齢者の体調管理と健康維持には必要な時間なのではないでしょうか。
参考
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586580.pdf(2021年3月現在)
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嚥下機能が低下した方はご使用をお控えください
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