高齢者の健康維持のためには、必要な栄養やエネルギーをしっかり摂れるような食事が大切です。
しかし、加齢による機能の低下などが原因となり、高齢者の食事は栄養が偏ってしまうことや食事自体を楽しめなくなってしまうことがあります。
高齢者が健康で楽しい毎日を過ごすためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
今回は、高齢者の食事で気をつけたいポイントを和食・洋食・中華に分けてご説明します。
加齢によって変化する身体機能
年を重ねるにつれ、人は噛む力や飲み込む力が低下していきます。
そのため、高齢者は硬い食べ物を敬遠してしまうことや、食べ物が喉に詰まったりむせたりすることで、食事を摂ることが苦痛になってしまうことがあります。
また、唾液や胃腸から分泌される消化液の量が減るため、食べ物が消化しにくくなり、胃もたれを起こしたり便秘を起こしたりすることが増えます。
そして、味覚にも変化を感じるようになり、甘味や塩味が感じにくくなるため、高齢になると濃い味つけのものを好むようにもなります。
高齢者の食事で注意したいこと
加齢による身体機能の変化によって高齢者は食べ物を噛みにくく、飲み込みにくくなるため、食べることに対する意欲が低下しがちです。
そのため食が細り、体重が減ることで体のさまざまな箇所に影響を及ぼし、健康な生活を維持できなくなってしまうことがあります。
高齢者の健康な生活を保つためには、毎日の食事からおいしくエネルギーや栄養素を摂り入れることが大切です。
噛みやすさや飲み込みやすさはもちろん、味付けや調理法などへの配慮も必要になります。
低栄養が招くさまざまなリスク
低栄養とは、食事を摂る量が徐々に少なくなり、体を健康に維持するために必要なエネルギーや栄養素が不足した状態のことをいいます。
高齢者の低栄養状態は、さまざまなリスクを引き起こします。
・筋力や運動機能の低下
低栄養の状態では体を動かすことが億劫になるため、立ったり歩いたりする機会が減り、筋力や筋肉量の低下につながります。
筋力が低下すると転倒や寝たきりのリスクが高くなってしまいます。
・免疫の低下により、感染症のリスクが高まる
食事から摂る栄養素が不足すると体の免疫が低下し、風邪などの感染症にかかりやすくなってしまいます。
また、かかってしまった場合は、なかなか治りにくくなってしまいます。
・皮膚の炎症が起こりやすくなる
体重が減ると皮膚と骨の間にあるべき筋肉や脂肪が減少するため、座っているときや寝ているときに皮膚が受ける摩擦が大きくなり、皮膚が炎症を起こしやすい状態になります。
寝たきりの状態の場合には、褥瘡(床ずれ)の原因となってしまいます。
低栄養を防ぐためにできること
低栄養を予防するためには、栄養のバランスを考え、高齢者が食べやすいように工夫した食事を用意することが大切です。
そして何より、食べることが楽しくなるように本人の好みや希望も聞いて、味つけのバリエーションを増やしてみたり、調理方法や彩りなどにも変化をつけてみたりするとよいでしょう。
また、食の細い高齢者にとっては食事を全部食べられたときの満足感も、その後の自信につながり、徐々に食欲が増してくることもあります。
一度に食べられる量が少ない場合は、高齢者の食欲や食べられる量に合わせて、一回で食べきれる量を出し、不足している分はおやつで補うのもおすすめです。
高齢者の健康を維持するために気をつけたい調理方法
高齢者の低栄養を防ぎ、食事を楽しく摂れるようにするためには、高齢者にとって食べやすい食事である必要があります。
そのため食材の硬さや大きさに気をつけ、高齢者が噛みやすく飲み込みやすいように工夫して調理をしましょう。
また、高齢者は味覚の機能や消化能力が低下するため、これまでよりも濃い味つけのものや胃腸に負担の少ない食事のほうが食べやすいことがあります。
高齢者向け和食のポイント
和食といえば、高齢者が親しみやすい味つけやメニューが多いイメージです。
野菜や魚、大豆製品を使うことが多いため、和食にはヘルシーなイメージがありますが、実は和食には塩分が高いメニューもあります。
濃い目の出汁を使うとうまみ成分が追加され、塩分のバランスを調整しやすくなります。
また、大葉やネギなどの薬味は、香りで食欲をそそり、見た目の彩りでも食事をおいしそうに見せる効果があります。
高齢者向け洋食のポイント
洋食には、フライなどの油を使ったメニューがあります。
脂質は三大栄養素のひとつであり、体に蓄えられてエネルギー源として使われるほか、細胞膜やホルモンを構成したり、脂溶性のビタミンの吸収を促進したりと体にとっては欠かせない栄養素です。
しかし、高齢者の場合は油の多い食事は消化に時間がかかってしまうことがあります。食事量が少ない場合などに、カロリーが高めの洋食を1品取り入れるなどの工夫も良いでしょう。
高齢者向け中華のポイント
中華料理も油や塩分を多く使ったメニューがあります。
一方で、飲茶などではセイロを使った蒸し料理も豊富です。
蒸した鶏肉やひき肉を使ったシュウマイなどは、比較的やわらかいメニューで、酢や薬味を利用したたれを準備すると、栄養のバランスや彩りも整えることができるでしょう。また、洋食と同様に油を使ったカロリーが高いメニューも多いため、上手く取り入れると良いでしょう。
高齢者の健康維持のために知っておきたい、和食・洋食・中華の調理のポイントをご紹介しました。
高齢者の低栄養は、さまざまなリスクを引き起こすといわれています。
健康な生活を送るためには、食事で必要なエネルギーや栄養素をしっかり補給することがとても大切です。
高齢者が食べやすいように調理法や味付けの工夫をすることは、手間がかかることかもしれません。
しかし、毎日の食事を楽しく、おいしく食べることができるようになると高齢者も食事を作る人も、毎回の食事の時間を幸せな気持ちで迎えることができるのではないでしょうか。
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