年を重ねるに従って体のさまざまな箇所に変化が生じ、これまで好きだったものが食べにくくなってしまったり、食事に対する意欲がわかなくなったりといったことがあります。
おいしく食事をとること、食事を楽しむことは、高齢者が健康に生活するうえでとても大切なことです。
今回は、高齢者の食事で注意をしたいことや積極的にとるべき栄養素についてご紹介します。
高齢者の食事の特徴
高齢になると、身体の機能が低下し、食べ物を噛む力や飲み込む力が弱くなってきます。
歯の衰えや噛む力が弱まることで、硬いものや繊維質が多い食材は避けることが多くなります。
また、唾液の分泌が減り、口の中で食べ物をまとめにくくなることで、飲み込みにくくなる食べ物も増えてきます。
そのため、高齢者には食べやすい食品と食べにくい食品ができ、栄養に偏りが出る傾向にあります。
また、あっさりしたものを好むようになったり、濃い味付けのものを好むようになったり、美味しさを感じにくくなったりと味覚も変化してきます。
これらの要因から、高齢者のとる食事の量は少しずつ減っていき、摂取すべきエネルギー量や栄養素が足りなくなる可能性があります。
高齢者の食事で大切なことは
高齢者の食事は、栄養が偏りやすくなるため、栄養のバランスに気を付ける必要があります。食べられる食材を増やすためには、やわらかく煮込む、細かく刻む、とろみをつけるなどして、噛みやすく、飲み込みやすい工夫をしましょう。
食欲を刺激するためには、美味しそうな見た目や香りも大切です。
香りも良く、季節を感じる旬の食材を用いたり、行事食を取り入れてみたり、彩りや盛り付けにも工夫をしてみるとよいでしょう。
また、食事を楽しめる環境づくりも大切です。
一人で食べる食事は味気なく、食欲も低下しやすくなります。
家族や友人などと食卓を囲む時間を作り、会話とともに食事を楽しめる環境を作るとよいでしょう。
高齢者の食事で不足しがちな栄養素
高齢者の食事では、たんぱく質、カルシウム、ビタミンD、食物繊維が不足しやすい傾向にあります。
たんぱく質は肉や魚などに多く含まれますが、噛みにくいことなどを理由に高齢者は敬遠しがちな食材です。
また、消化吸収能力が低下することもたんぱく質が不足しやすい要因の一つです。
カルシウムは、寝たきりの原因となりやすい骨折につながる骨粗しょう症の予防にもつながります。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進するはたらきがあり、骨粗しょう症の予防にも関りが深い栄養素です。
食物繊維は、野菜や果物、海藻類、キノコ類などに多く含まれる栄養素で、腸の働きを整え便秘を予防する効果があります。
食物繊維が多い食材は、高齢者にとっては固く、食べにくいものが多いため、柔らかく煮込むなどの工夫が必要です。
「たんぱく質」が大切な理由
高齢になると、徐々に筋肉量や筋力が低下し、自分で歩くことや体を動かすことが難しくなってきます。
たんぱく質は、筋肉を作り出すうえで欠かせない栄養素です。
介護が必要となる状態の前段階である「フレイル」を予防するためには、適切な量のたんぱく質を食事から摂取することが大切であるとされています。
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、一日の摂取エネルギー量のうち15~20%に相当する量のたんぱく質を摂取することが目標量として示されています。
2015年に発表された食事摂取基準における高齢者のたんぱく質の摂取目標量は、13~20%でしたが、2020年版ではたんぱく質摂取目標量の下限が13%から15%に引き上げられ、フレイル予防の観点からたんぱく質を積極的に摂取することが推奨されています。
たんぱく質を豊富に含む食品
たんぱく質が多く含まれる食品には、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などがあります。
肉類では、鶏のささみや胸肉、豚のロース、ヒレ、もも肉などに多く含まれています。
魚類ではイワシの丸干しやカツオ、マグロなどに多く含まれます。
また、魚を加工した食品である鰹節やしらす干し、練り製品などにもたんぱく質が含まれています。
その他、卵、チーズ、ヨーグルト、納豆、豆腐、油揚げなどからもたんぱく質を摂取することができます。
市販の介護食や高齢者向け宅配弁当で肉や魚中心のメニュー選びを
豆腐や納豆、鰹節などをいつもの食事に足したり、ヨーグルトやチーズをおやつに選んだりすることで、やわらかく食べやすい食品は手軽に利用することができます。
しかし、食品によってたんぱく質を構成するアミノ酸には違いがあります。
そのため、たんぱく質は特定の食品に偏らず、さまざまな食品から摂取することが良いとされています。
大豆製品や乳製品だけでなく、肉や魚のたんぱく質も取り入れたいところですが、肉や魚などは柔らかく調理するのには時間がかかってしまいます。
市販の介護食や高齢者向けの宅配弁当では、高齢者が食べやすいように工夫された肉や魚のメニューがあります。
市販の介護食や宅配弁当を利用する際には、家での調理が難しい肉や魚のメニューを中心に選ぶとよいでしょう。
たんぱく質は、筋肉を作る際に必要不可欠な栄養素であり、フレイル予防のためにも毎回の食事で積極的に摂取したい栄養素です。
また、高齢者が楽しく食事をできる環境づくりも大切です。
肉や魚を柔らかく調理するためには、時間も手間もかかります。
時には、市販の介護食や宅配弁当を利用すれば、一緒に食事を楽しむ余裕が生まれるのではないでしょうか。
参考
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586580.pdf(2020年12月現在)
厚生労働科学研究班 要介護高齢者の口腔・栄養管理のガイドライン2017 http://www.gerodontology.jp/publishing/file/guideline/guideline_20181130.pdf (2020年12月現在)
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